高浜3,4号機停止の意外な影響

関西電力が5月の値下げを断念したことにより、ライバルである新電力はほっと胸を撫で下ろしていると思いきやさにあらず。

大手の値下げが先送りになったことで、契約切り替えが進むことは間違いないわけですが、実は新電力は、どこから電気を調達しているかという問題が浮上します。

新電力の電気の調達先は、自前の発電所(火力、太陽光、風力など)のほかに、日本卸電力取引所からの調達があります。JPEXといいます。

大手が「玉」(余剰電力)を出し、それを新電力が買い、それを一般消費者に売るという構図です。

問題は、大手の電力会社つまり関西電力が原子力を稼動できないために、十分な玉を出せないということ。

すると、新電力はお客を抱えながら、自前の電気はいいとしても、それでは賄いきれない部分の調達ができないって場合も想定されるわけです。

でも、停電の心配は不要です。バックアップ契約といって新電力は大手電力にお金を払ってそのような場合は自分に代わって電気を届けるように保険をかけているんですね。

大手電力はそのようなリスク分も含めて計算して、JPEXに玉を出しますから、ますます玉を出せなくなるということになります。

結局、電力自由化市場が健全な状態になるには、新電力はJPEXに頼るのではなく、自前の発電所を持ち、その能力の中で電気を供給すればいいんです。

しかし、もともと大きな発電所を持っている大手の鉄鋼会社などは、もっとかしこくて、その電気をそのまま大手電力に売ってるんですねー。
そのほうが設けは少ないかもしれませんが確実に儲かるし、個々の消費者に対応する必要もないわけなのでビジネスとしてはシンプルそのものなんです。

結局は、大手電力会社がある程度の原発を稼動させないと、この電力自由化は早々に行き詰ることなるのではないかと思います。

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